フルトヴェングラーのドン・ジョヴァンニが、ハイビジョン・リマスターでハイヴィジョン放送。
映像と音楽、歌声は別々にとられたものを編集で合わせたもののようです。映像での歌手たちの息づかいと歌声には合わないところがあるので演奏場の破綻はなく上質。チェーザレ・シエピのドン・ジョヴァンニは戦後のドン・ジョヴァンニの演技にはない上品さがあります。昭和の時代にはマドロスへの憧れを女性は持っていました。蝶々夫人を引き合いに出すまでもなく、戦争の後、女性の性意識は変わったんじゃないかしら。いや、世間が上手い具合に差し替えてしまったようです。ドンナ・エルヴィラはドン・ジョヴァンニを恨んでるような歌われ方をしていない。貴女はまだ世間知らずだから・・・って、見方が出来るくらい。きっとそれでドン・ジョヴァンニも立ち位置が変わってしまったのでしょう。
ドンナ・エルヴィラを歌う、デラ・カーザのソプラノは出色。流石に現在のソプラノ歌手が忘れてしまった何かがあります。何かって、それは歌声の艶、歌声の表情。演技力の良いソプラノは最近多くなったけれども、歌い方は大時代に戻ろうとしているようですね。
..: PRODUCTION :..
Wilhelm Furtwängler – ConductorWiener Philharmoniker – Orchestra
Chor der Wiener Staatsoper – Chorus
Paul Czinner – Producer
Deutsche Grammophon – Studio ..: CAST :.. Otto Edelmann – Leporello (Bass)
Elisabeth Grümmer – Donna Anna (Soprano)
Cesare Siepi – Don Giovanni (Baritone)
Dezsõ Ernster – The Commendatore (Bass)
Anton Dermota – Don Ottavio (Tenor)
Lisa della Casa – Donna Elvira (Soprano)
Erna Berger – Zerlina (Soprano)
Walter Berry – Masetto (Bass)

